鶴岡市は、山形県の南西部に位置する、日本でも有数の在来作物の産地です。その鶴岡市を代表する特産品の一つが、だだちゃ豆と呼ばれる枝豆です。だだちゃ豆は食味に優れ、鶴岡の気候風土を活かした枝豆として人気を集めています。
この記事では、そんなだだちゃ豆の歴史や名前の由来について詳しく解説します◎
だだちゃ豆とは
早速、だだちゃ豆とは一体どんな枝豆なのか詳しく見ていきましょう!
味や見た目の特徴
だだちゃ豆は、鮮やかな緑色が特徴的な枝豆です。7月下旬から9月頃にかけてが旬で、独特な香りと濃厚な旨味や甘みが口いっぱいに広がります。
また、だだちゃ豆は他の枝豆に比べて以下のような特徴があります。
- 独特の強い香り
- 一般的な枝豆と比べると小粒
- 2粒莢が多い
このように、だだちゃ豆には個性的な味と見た目の特徴があり、鶴岡の代表的な食材として親しまれています。
起源と栽培の歴史
だだちゃ豆の起源は明確ではありませんが、江戸時代から鶴岡地方で親しまれてきた在来種の枝豆だと考えられています。「ただちゃ豆」という名称が最初に文献に登場するのは、1897年(明治30年)に刊行された『山形県農事要録』といわれています。
以降、鶴岡の在来野菜として大切に守られながら栽培が行われ、「枝豆の王様」としての地位を確立していきました。
名前の由来
「だだちゃ豆」の名前の由来については諸説ありますが、最も有力なのが山形県の方言に由来するという説です。「だだちゃ」とは、山形県庄内地方などで使わる「お父さん」という意味の方言です。
- 説① その昔、庄内藩鶴岡の殿様が大変な枝豆好きで、毎日枝豆を持ち寄らせては「今日はどこのだだちゃ(おやじ)が作った枝豆か?」と尋ねていた事が由来とされています。
- 説② だだちゃ豆が誕生したとされる江戸時代では、家長であるお父さんが、まずはじめに食べるから「だだちゃ豆」と呼ばれるようになったといわれています。
まとめ
だだちゃ豆は、鶴岡市を中心に山形県内で栽培されている枝豆の一種です。名前の由来は鶴岡の方言で「お父さん」を意味する「ただちゃ」に由来しているといわれています。
豆の外観は濃い緑色で、独特な香りと濃厚な旨味と甘みが特徴的なだだちゃ豆は、鶴岡の夏の風物詩として親しまれています。収穫時期が異なることで、鶴岡市内の各地で長期にわたり新鮮なだだちゃ豆を味わうことができます。
今年の夏は、冷たいビールのお供として、旬のだだちゃ豆を食卓に並べてみてはいかがでしょうか◎