メロンには様々な種類や呼び名があり、そのため混同されがちです。中でも代表的なのが「アールスメロン」「クラウンメロン」「マスクメロン」の区別について。この3つのメロンはどれも人気が高く、美味しいメロンという認識はあるかと思いますが、明確な違いについては知らないという人も多いはずです。
この記事では、アールスメロン、クラウンメロン、マスクメロンの違いや特徴、さらにはその他の品種についても解説していきます。
アールスメロンは品種名、クラウンメロンとマスクメロンはブランド名
アールスメロンは、メロンの品種名の一つで、クラウンメロンやマスクメロンは、アールスメロンの中でもこだわって育てられた「ブランドメロン」です。
- アールスメロン:品種名
- クラウンメロン:ブランド名
- マスクメロン:ブランド名
品種とは、同じ品種内で遺伝的に似通った特徴を持つグループのことです。一方、ブランド名はメロンの産地や生産者団体が付けた商標名のことです。
クラウンメロンは、静岡県の袋井市や森町を中心に温室栽培されているアールスメロンを指す地域ブランド名で、マスクメロンは品種改良が進められ、現在では全国的に広く栽培される人気ブランドメロンとなっています。
クラウンメロンの特徴
クラウンメロンは、ネットリとした濃厚な甘みと芳醇な香りが特徴です。品種はアールスメロンですが、周りに王冠のような模様があることから「クラウン(王冠)」メロンと呼ばれています。
クラウンメロンは静岡県で栽培されており、温暖な気候の中で育つため、糖度が高く味が濃厚になると言われています。旬の時期は夏から初秋にかけてで、6月下旬から8月中旬頃が最盛期となります。
マスクメロンの特徴
マスクメロンは、香りが強く甘みとほのかな酸味が特徴的な味わいです。名前の由来は、その豊かな芳香から「ムスク(Musk・じゃ香)」のような香りのメロンという意味で名付けられました。
主な産地としては、千葉県や山形県の庄内地域などが有名です。中でも山形県北西部の日本海岸に広がる庄内砂丘で栽培されたマスクメロンは、熱しやすく冷めやすい寒暖差の激しい気候の中で育つため、凝縮された甘みとたっぷりの果汁が楽しめますよ。
メロンの品種は約30種類!他にはどんな品種がある?
メロンには、アールスメロンの他にも代表的な品種として次のようなものがあります。
品種名 | 特徴 |
---|---|
アンデスメロン | 糖度が高く、爽やかな香りと上品な味わい |
クインシーメロン | 甘みと香りが濃厚、希少性が高い |
鶴姫レッド | 鮮やかな赤色の果肉、濃い甘みとしっかりとした果肉 |
ホームランメロン | 果皮に網目がない、上品な甘み |
品種によって、果実の形状や大きさ、肉質や糖度、香りなどが異なります。旬の時期や栽培適地も品種ごとに異なるため、産地や時期を選ばずに幅広く味わえるのがメロンの魅力です。
美味しいメロンの選び方
ここからは、店頭で美味しいメロンを見分けるポイントについて紹介します。
つるの状態
メロンの食べ頃を知る上で、つるの状態は大きな目安となります。メロンのつるには次の3種類があります。
つるの状態 | 果肉の状態 |
---|---|
緑色のつる | 未熟で食べ頃ではありません。 |
半分緑と茶色のつる | 食べ頃が近づいています。 |
完全に茶色のつる | 食べ頃を迎えています。 |
つるの色が完全に茶色くなったメロンが最も食べごろを迎えています。緑色のつるが残っている場合は未熟なので、追熟させる必要があります。
また、つるの根元がくびれているかどうかも重要なポイントです。くびれていれば食べ頃に近づいている証拠です。くびれがなく緑色が残っていれば、まだ未熟と判断できます。
このようにつるの色と形状を確認することで、メロンの食べ頃を見分けることができます。
お尻の柔らかさ
お尻の柔らかさは、メロンの熟度を見分ける大切なポイントです。完熟に近づくにつれ、お尻の部分が徐々に柔らかくなっていきます。
お尻の柔らかさを確認する際は、以下のように手順を踏むと分かりやすいでしょう。
- メロンを手に持ち、お尻の部分を軽く押してみる
- 固ければ未熟、適度な柔らかさがあれば食べごろ
- 過度に柔らかく、へこみが残る場合は過熟
お尻の柔らかさを確認する際は、強く押しすぎないよう注意が必要です。過度な力を加えると、果実が傷つき腐敗の原因になります。また、お尻以外の部分は硬いので、判断の材料にならないことにも留意しましょう。
香りの強さ
メロンの熟れ具合は香りの強さでもわかります。未熟なメロンは香りがほとんどしませんが、食べ頃に近づくにつれてメロン独特の芳香が強くなります。
熟度と香りの強さの目安は以下の通りです。
熟度 | 香りの強さ |
---|---|
未熟 | ほとんど香りがしない |
やや未熟 | 顔を近づけるとメロンの香りがする |
完熟 | メロン特有の甘い香りが漂う |
このように、メロンの香りが強ければ強いほど、食べ頃に近い証拠です。 ただし、あまりに過熟するとかえって香りが弱まったり、ねっとりした異臭がすることもあります。
理想的な食べ頃は、芳香が最も強く漂う「完熟」の状態です。 皮の部分だけでなく、果肉の芳香にも注目しましょう。
まとめ
メロンには様々な品種やブランドがありますが、代表的なものとしてアールスメロン、クラウンメロン、マスクメロンが挙げられます。
メロンは品種やブランドによって味や香り、肉質が大きく異なります。そのため、それぞれの特徴や産地、旬の時期などをチェックして選ぶことが大切です。
まだ自分好みのメロンを見つけられていない人は、ぜひこれらの違いを意識しながら、異なる品種やブランドどうしを食べ比べてみてくださいね◎