皆さんはメロンと聞いて、どんな種類を想像しますか?一般的には緑色の網目模様が特徴的な、甘くてジューシーな果物をイメージする方が多いでしょう。しかし実は、メロンには様々な種類があり、色や形、味わいも多種多様なのをご存知でしょうか。
メロンは、果肉の色だけでも3種類に大別されます。さらに、果皮に網目模様の入っているネット系と入っていないノーネット系、栽培方法の違いによっても種類分けされています。
甘みと香りに富む人気のメロンから、爽やかな甘酸っぱさが特徴の品種まで、実に多彩な種類が存在しているのです。この記事では、そんなメロンの種類について詳しく紹介します!
メロンの種類と分類方法
まずは、メロンの種類と分類方法について見ていきましょう!
果肉の色による分類
メロンの果肉は、主に赤肉、青肉、白肉の3種類に大別されます。
肉色 | 特徴 |
---|---|
青肉 | 果汁は控えめだが香りが良い。代表品種にアンデスメロン、マスクメロン、クラウンメロンなど。 |
赤肉 | 果汁が多く甘味が強い。代表品種にクインシーメロン、夕張メロン、鶴姫レッドなど。 |
白肉 | 果肉は緻密で蜜が多い。代表品種にグランドール、新芳露など。 |
赤肉メロンは果肉が鮮やかな赤色で、甘味が強く果汁が多いのが特徴です。一方の青肉メロンは、果肉が薄緑色をしており香りが良いことで知られています。また、白肉メロンは果肉が白く緻密な食感と蜜の多さが魅力となっています。このように、肉色により味わいや香りの違いがあるのがメロンの特徴なのです。
果皮の網目の有無による分類
メロンは果皮の表面に網目状の模様があるかどうかで、大きく「ネット系」と「ノーネット系」に分類されます。
ネット系メロンとは、果皮に網目状の模様が現れるメロンの総称です。この網目模様は細かいひび割れのようなものですが、これはメロンが成熟する過程で表面の薄皮が引き裂かれて生じるものです。一方のノーネット系メロンは、果皮に網目模様が全くないか、あってもわずかしかありません。
代表的なネット系メロンには、アンデスメロン、マスクメロン、クラウンメロン、クインシーメロン、夕張メロンなどがあります。一方のノーネット系メロンには、ホームランメロン、ハニーデューメロンなどが含まれます。
このように、メロンの種類は果皮の網目模様の有無で大別することができます。
栽培方法による分類
メロンの栽培方法によって、大きく露地栽培メロンと施設栽培メロンの2つに分類されます。
分類 | 概要 |
---|---|
露地栽培メロン | 屋外の畑で栽培されるメロン。気候の影響を受けやすく、収穫期が限られる。代表的な品種はアンデスメロン、クインシーメロン、夕張メロンなど。 |
施設栽培メロン | ビニールハウスなどの施設内で栽培されるメロン。気候の影響を受けにくく、通年で収穫できる。代表的な品種はマスクメロン、クラウンメロン、グランドールなど。 |
また、施設栽培メロンには、さらに「半促成栽培」と「抑制栽培」の2つの方法があります。半促成栽培は春先に収穫を早める栽培方法で、抑制栽培は夏場の高温期を避けて収穫時期を調整する栽培方法です。
メロンの主な品種とその特徴
ここからは、メロンの主な品種とその特徴について見ていきましょう!
ネット系・青肉メロン
まずは、日本で最もポピュラーなネット系・青肉メロンに分類される品種を3つ紹介します。
アンデスメロン
アンデスメロンは、ネット系の青肉メロンの一種です。果皮には網目状の模様が特徴的で、果肉は濃い緑がかった青色をしています。
産地はアメリカ西部やメキシコなどですが、日本でも栽培されるようになりました。糖度が高く、爽やかな香りと上品な味わいが魅力です。旬は5月下旬から7月上旬頃までとされています。完熟したアンデスメロンは芳醇な香りが楽しめ、フルーツサラダなどにも最適です。
マスクメロン
マスクメロンは、ネット系の青肉メロンの代表的な品種です。果皮にエンジ色の網目模様があり、その特徴的な外観が名前の由来となっています。爽やかな甘みと口いっぱいに広がる果汁が魅力で、全国的な人気を誇るブランドメロンの一つです。
マスクメロンは夏が旬で、日本の主な産地は静岡県、高知県、山形県、茨城県、千葉県などです。生でそのまま味わうのはもちろん、スイーツのトッピングにも使われています。
クラウンメロン
クラウンメロンは、ネット系の青肉メロンの一種です。親しみやすい甘みと爽やかな香りが特徴的です。クラウンメロンは、夏から初秋にかけての旬を迎え、6月下旬から8月中旬頃が最盛期となります。
旬のクラウンメロンを選ぶ際は、果実に重みがあり、しっかりとした弾力があることが重要です。また、つやのある緑色の果皮と、香り高い芳香が新鮮さを示す目安になります。
ネット系・赤肉メロン
ここからは、とろけるような甘みが楽しめるネット系・赤肉メロンに分類される品種を3つ紹介します。
クインシーメロン
クインシーメロンは、赤肉の高級ネットメロンです。果皮にきれいな網目模様があり、果肉の色が鮮やかな深紅です。クインシーメロンは、通常のメロンと比べて栽培期間が長く、手間がかかるため希少価値が高い品種です。
果肉は深紅色で蜜がたっぷり含まれており、甘みと香りが濃厚です。高級レストランのデザートメニューにも時折登場する、世界的にも知られた高級メロンです。
夕張メロン
夕張メロンは赤肉のネット系メロンで、北海道・夕張市が発祥の地です。糖度が高く、果肉が非常に柔らかいのが特徴です。
夕張メロンは、日照時間が長く、昼夜の寒暖差が大きい夕張の気候風土に適しているため、非常に甘みが濃厚になります。また、一つひとつ手間暇をかけた栽培方法で育てられているため、高級品として人気があります。しかし、夕張メロンは生産量が極めて少ないため、市場に出回る量は限られています。旬の時期にしか購入できない貴重な夏の味覚なのです。
鶴姫レッド
鶴姫レッドは、JA鶴岡が生産するオリジナル品種のメロンです。鮮やかな赤色が特徴的で、濃厚な甘さと芳醇な香りが魅力的です。
鶴姫レッドは、7月下旬から8月上旬に旬を迎えます。 この時期に生産された鶴姫レッドは、全国各地のスーパーや通販サイトなどで購入できます。
濃厚な味わいと香りが特徴の鶴姫レッドは、生で食べるのがおすすめです。切り分けてそのままいただくのが一番美味しい食べ方となっています。
ネット系・白肉メロン
ここからは、日本では希少性の高いネット系・白肉メロンに分類される品種を2つ紹介します。
グランドール
グランドールはネット系の白肉メロンです。果肉が白く、果汁が多いのが特徴です。グランドールは糖度が高く、食味が良いことから「王様のメロン」とも呼ばれています。しっかりとした果肉の食感と、濃厚な甘さが魅力的です。
新芳露(しんほうろ)
新芳露はネット系の白肉メロンで、糖度が高く極上の味わいが特徴です。白肉メロンの中でも特に人気が高い品種のひとつといえます。
新芳露は果肉が白く繊細な味わいが魅力です。糖度も15度前後と高めで、果汁が非常に豊富なのが特徴的です。食味が良いだけでなく、見た目も美しいことから高級メロンとしても人気があります。
主な産地は京都府の京丹後地方で、旬は7月中旬から7月下旬にかけての短い間です。逃さずゲットしたい人は、旬の時期を逃さないように注意しましょう。
ノーネット系メロン
ここからは、つるんとした果皮が特徴のノーネット系メロンに分類される品種を2つ紹介します。
ホームランメロン
ホームランメロンは、ノーネット系の品種です。果皮は滑らかで、表面に網目がありません。果肉は深緑色をした青肉タイプで、実はやや扁平な形状になります。
糖度が高く、爽やかな香りと上品な甘みが特徴的です。生で食べるのはもちろん、デザートや飲み物に使われることも多い万能な品種です。主な産地は、熊本県や茨城県などです。旬は4月下旬から6月上旬で、真夏に美味しく食べられるメロンとなっています。
ハニーデューメロン
ハニーデューメロンはノーネット系メロンの一種で、果皮に網目がありません。果肉は淡い緑色をしており、甘みが濃厚で香り高いのが特徴です。
ハニーデューメロンの原産地はアメリカで、日本では主にアメリカ産とメキシコ産が出回っています。旬は6月上旬から8月中旬頃で、真夏に最も美味しくなります。ハニーデューメロンは果肉が柔らかく、種が少ないのが特徴的です。甘みとメロン本来の香りが濃厚で、生でも料理にも使えるメロンです。
メロンの種類ごとの旬
メロンの旬は品種によって異なりますが、おおむね以下のような時期が旬となります。
品種 | 旬の時期 |
---|---|
アンデスメロン | 5月下旬~8月上旬 |
マスクメロン | 6月中旬~11月上旬 |
クラウンメロン | 6月下旬~8月中旬 |
クインシーメロン | 5月上旬~8月上旬 |
夕張メロン | 6月上旬~7月上旬 |
鶴姫レッド | 7月下旬~8月上旬 |
グランドール | 7月中旬~9月上旬 |
新芳露 | 7月中旬~7月下旬 |
ホームランメロン | 4月下旬~6月上旬 |
ハニーデューメロン | 6月上旬~8月中旬 |
このように、青肉メロンの多くは5月から7月にかけて、赤肉メロンは6月から8月にかけて、白肉メロンは7月から9月にかけてが旬となります。また、ハウス栽培のホームランメロンは4月下旬から旬を迎え、比較的早い時期からメロンを楽しめます。
メロンの主な産地
日本でメロンが生産されている主な地域には、山形県庄内地方の庄内砂丘があります。この地域は日本海に面した砂丘地帯で、メロンの栽培に最適な環境が整っています。
- 日照時間が長い
- 土壌が保水力に優れた砂質
- 日較差が大きく、夜間は肥大を促す適度な冷涼さ
このような条件のもと、甘みと香りが凝縮された高品質のメロンが生産されています。特に「クインシーメロン」や「アンデスメロン」などが有名です。また、平成10年にデビューした鶴姫メロンは、県を代表するオリジナル品種として注目を集めています。
一方、青森県は白肉メロンの主産地として知られています。「グランドール」や「新芳露」などの品種が生産されています。
その他、静岡県の「クラウンメロン」、北海道の「夕張メロン」なども指名産地として名高いです。メロンの生産は全国各地で行われているのが実情です。
美味しいメロンの選び方
ここからは、食べ頃を迎えた美味しいメロンを見分けるポイントについて紹介します。
つるの状態
メロンの食べ頃を知る上で、つるの状態は大きな目安となります。メロンのつるには次の3種類があります。
つるの種類 | 果肉の状態 |
---|---|
緑色のつる | 未熟で食べ頃ではありません。 |
半分緑と茶色のつる | 食べ頃が近づいています。 |
完全に茶色のつる | 食べ頃を迎えています。 |
つるの色が完全に茶色くなったメロンが最も食べごろを迎えています。緑色のつるが残っている場合は未熟なので、追熟させる必要があります。
また、つるの根元がくびれているかどうかも重要なポイントです。くびれていれば食べ頃に近づいている証拠です。くびれがなく緑色が残っていれば、まだ未熟と判断できます。
このようにつるの色と形状を確認することで、メロンの食べ頃を見分けることができます。
お尻の柔らかさ
お尻の柔らかさは、メロンの熟度を見分ける大切なポイントです。完熟に近づくにつれ、お尻の部分が徐々に柔らかくなっていきます。
お尻の柔らかさを確認する際は、以下のように手順を踏むと分かりやすいでしょう。
- メロンを手に持ち、お尻の部分を軽く押してみる
- 固ければ未熟、適度な柔らかさがあれば食べごろ
- 過度に柔らかく、へこみが残る場合は過熟
お尻の柔らかさを確認する際は、強く押しすぎないよう注意が必要です。過度な力を加えると、果実が傷つき腐敗の原因になります。また、お尻以外の部分は硬いので、判断の材料にならないことにも留意しましょう。
香りの強さ
メロンの熟れ具合は香りの強さでもわかります。未熟なメロンは香りがほとんどしませんが、食べ頃に近づくにつれてメロン独特の芳香が強くなります。
熟度と香りの強さの目安は以下の通りです。
熟度 | 香りの強さ |
---|---|
未熟 | ほとんど香りがしない。 |
やや未熟 | 顔を近づけるとメロンの香りがする。 |
完熟 | メロン特有の甘い香りが漂う。 |
このように、メロンの香りが強ければ強いほど、食べ頃に近い証拠です。 ただし、あまりに過熟するとかえって香りが弱まったり、ねっとりした異臭がすることもあります。
理想的な食べ頃は、芳香が最も強く漂う「完熟」の状態です。 皮の部分だけでなく、果肉の芳香にも注目しましょう。
まとめ
メロンには、果肉の色、果皮の網目の有無、栽培方法によって様々な種類があります。これらのメロンは、品種によって旬の時期が異なります。
産地も様々で、山形県庄内砂丘などが有名です。外観や香り、手に持った重さなどから、美味しいメロンを選ぶことができます。メロンを購入する際は、種類や産地にも注目しながら、ぜひ自分好みのものを選んでみてくださいね◎