メロンの果肉には、鮮やかな赤色をした「赤肉」と淡い緑色の「青肉」の2種類があります。見た目の違いは一目瞭然ですが、実は味や栄養素にも違いがあるのをご存知でしょうか。
この記事では、そんな赤肉メロンと青肉メロンの違いについて紹介します。それぞれの特徴を知っておくと、自分好みの美味しいメロンを選ぶ参考になりますよ◎
メロンの赤肉と青肉の違い
早速、赤肉メロンと青肉メロンとではどんなところが違うのか、詳しく見ていきましょう!
果肉の色の違い
メロンの果肉の色には主に赤肉と青肉の2種類があります。赤肉メロンの果肉はオレンジ色から深紅色までさまざまな赤みを帯びた色合いです。一方、青肉メロンの果肉は白みがかった淡い黄緑色をしています。
なお、メロンの品種は約30種類もあり、国産と外国産によっても色合いは異なるので、実際に目で見て確認するのがおすすめです。
味の違い
赤肉メロンと青肉メロンでは、果肉の色の違いだけでなく、味にも違いがあります。赤肉メロンは、一般的に甘味が強く、香りも濃厚です。熟すにつれて果肉が赤く染まり、果糖や香り成分が増えるためです。一方、青肉メロンはしっかりした甘みと果肉の柔らかさが特徴です。
品種 | 甘み | 香り |
---|---|---|
赤肉メロン | ★★★★☆ | ★★★★★ |
青肉メロン | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
このように、赤肉メロンは甘味と香りが濃厚で、デザートメロンとしてよく利用されます。一方の青肉メロンは、爽やかな酸味と香りが魅力で、食事の最後にさっぱりと食べられるのが特徴です。
どちらを選ぶかは、個人の好みによりますが、このような味の違いを理解しておくと、自分の好みに合ったメロンを選びやすくなります。
栄養価の違い
一般的に、赤肉メロンは青肉メロンに比べてβ-カロテンが豊富です。β-カロテンはビタミンAの前駆体で、抗酸化作用があると言われています。一方、青肉メロンはビタミンCが多く含まれています。
栄養素 | 赤肉メロン | 青肉メロン |
---|---|---|
ビタミンC | ◎ | ○ |
カリウム | ○ | ◎ |
食物繊維 | ○ | ◎ |
βカロテン | ◎ | ○ |
マグネシウム | ○ | ◎ |
このように、赤肉と緑肉ではそれぞれ得意な栄養素が異なります。 栄養のバランスを考えると、両方を組み合わせて食べることがおすすめです。
メロンに含まれる栄養素やその効果についてより詳しく知りたい人は、こちらの記事もぜひ併せてチェックしてくださいね!
赤肉メロンの人気品種
ここからは、赤肉メロンの人気品種を紹介します。
クインシーメロン
クインシーメロンは、赤肉の高級ネットメロンです。果皮にきれいな網目模様があり、果肉の色が鮮やかな深紅です。クインシーメロンは、通常のメロンと比べて栽培期間が長く、手間がかかるため希少価値が高い品種です。
果肉は深紅色で蜜がたっぷり含まれており、甘みと香りが濃厚です。高級レストランのデザートメニューにも時折登場する、世界的にも知られた高級メロンです。
夕張メロン
夕張メロンは赤肉のネット系メロンで、北海道・夕張市が発祥の地です。糖度が高く、果肉が非常に柔らかいのが特徴です。
夕張メロンは、日照時間が長く、昼夜の寒暖差が大きい夕張の気候風土に適しているため、非常に甘みが濃厚になります。また、一つひとつ手間暇をかけた栽培方法で育てられているため、高級品として人気があります。しかし、夕張メロンは生産量が極めて少ないため、市場に出回る量は限られています。旬の時期にしか購入できない貴重な夏の味覚なのです。
鶴姫レッド
鶴姫レッドは、JA鶴岡が生産するオリジナル品種のメロンです。鮮やかな赤色が特徴的で、濃厚な甘さと芳醇な香りが魅力的です。
鶴姫レッドは、7月下旬から8月上旬に旬を迎えます。 この時期に生産された鶴姫レッドは、山形県内の直売所やデパート、通販サイトなどで購入できます。
濃厚な味わいと香りが特徴の鶴姫レッドは、生で食べるのがおすすめです。切り分けてそのままいただくのが一番美味しい食べ方となっています。
レノン
レノンは、茨城県を中心に栽培されている比較的新しい品種のメロンです。果肉には程よい歯ごたえがあり、香りも豊かで芳醇です。また、熟すと柔らかさが増し、非常にジューシーな食感に変化します。糖度が高く、強い甘みを感じられるのも特徴です。
旬の時期は6月頃から8月頃で、茨城県産の他に青森県産や山形県産も多く出回っています。時期が遅いほど果肉が柔らかくなりやすいので、硬めの食感を楽しみたい人は早めに購入すると良いでしょう。
青肉メロンの人気品種
ここからは、青肉メロンの人気品種を紹介します。
アンデスメロン
アンデスメロンは、ネット系の青肉メロンの一種です。果皮には網目状の模様が特徴的で、果肉は濃い緑がかった青色をしています。
産地はアメリカ西部やメキシコなどですが、日本でも栽培されるようになりました。糖度が高く、爽やかな香りと上品な味わいが魅力です。旬は5月下旬から7月上旬頃までとされています。完熟したアンデスメロンは芳醇な香りが楽しめ、フルーツサラダなどにも最適です。
マスクメロン
マスクメロンは、ネット系の青肉メロンの代表的な品種です。果皮にエンジ色の網目模様があり、その特徴的な外観が名前の由来となっています。爽やかな甘みと口いっぱいに広がる果汁が魅力で、全国的な人気を誇るブランドメロンの一つです。
マスクメロンは夏が旬で、日本の主な産地は静岡県、千葉県、埼玉県などです。生でそのまま味わうのはもちろん、スイーツのトッピングにも使われています。
クラウンメロン
クラウンメロンは、ネット系の青肉メロンの一種です。親しみやすい甘みと爽やかな香りが特徴的です。
クラウンメロンは、夏から初秋にかけての旬を迎えます。旬の時期は地域によって異なりますが、おおむね6月下旬から8月中旬頃が最盛期となります。旬のクラウンメロンを選ぶ際は、果実に重みがあり、しっかりとした弾力があることが重要です。また、つやのある緑色の果皮と、香り高い芳香が新鮮さを示す目安になります。
アムスメロン
アムスメロンは、昭和49年に園芸植物育種研究所が育成した国産品種で、他の品種に比べ果皮の緑色が濃いのが特徴です。味わいは甘みが強く濃厚で、非常にジューシーです。また香りも良く、カットするとメロン特有の甘い芳香が強く感じられます。
旬の時期は5月上旬から7月頃にかけてで、メロンの中でも比較的日持ちが良いため、自宅でゆっくりと味わうことができますよ。
赤肉メロンと青肉メロンの選び方
ここからは、赤肉メロンと青肉メロンの選び方を紹介します。
外観から判断する
メロンを選ぶ際の外観からの判断ポイントとして、網目模様、重さ、香りがあげられます。
網目模様
熟した赤肉メロンや青肉メロンは、表面に網目状の模様が現れます。この網目模様が濃くはっきりとしているものが旬の品質の良いメロンです。一方で網目が薄かったり、ボコボコしていたりするものは避けましょう。
重さ
同じサイズのメロンでも、重いものの方が、果肉や果汁が詰まっていて食味が良いと言えます。反対に、大きさの割に軽すぎるメロンは果肉の密度が低く、甘みやジューシーさを十分に感じられない可能性が高いため避けた方が賢明です。同じ品種どうしでも、手に持ったときにより重いと感じる方を選びましょう。
香り
メロンの香りも見逃せないポイントです。食べ頃を迎えた完熟メロンは、顔を近づけると果皮の上からでも分かるくらい、甘い芳香が感じられます。この芳香が感じられない、または弱いものは、未熟か過熟の可能性が高いため避けた方が良いでしょう。
このように、外観から丹念にチェックすることで、甘みと風味に優れた赤肉・青肉メロンを選ぶことができます。
産地と時期を意識する
メロンの産地と時期は、赤肉メロンと青肉メロンを選ぶ上で重要なポイントです。一般的に、以下の表のような違いがあります。
種類 | 主な産地 | 収穫時期 |
---|---|---|
赤肉メロン | 北海道、山形県、茨城県、熊本県など | 5月下旬~9月上旬 |
青肉メロン | 山形県、茨城県、静岡県、千葉県など | 6月中旬~9月中旬 |
産地や収穫時期に合わせて、それぞれのメロンの味や香りが最も良い状態で食べられるよう、時期を意識して選ぶことが大切です。名産地で育った新鮮なメロンを旬の時期に食べるのが、美味しく楽しむコツといえるでしょう。
まとめ
メロンの赤肉と青肉には果肉の色や味わい、栄養価など様々な違いがあり、一般的に赤肉メロンの方が甘みが強く、濃厚な味わいといわれています。一方の青肉メロンは、食後にさっぱりと食べられる、爽やかな味わいが特徴です。
なお、メロンには赤肉と青肉による分類だけでなく、たくさんの品種があります。品種によって味わいや香り、食感などの特徴がそれぞれ異なるため、メロンの季節にはぜひ色んな品種を食べ比べてみてください◎