山形県の庄内地方には、「だだちゃ豆」と呼ばれる枝豆の一種が伝統的に栽培されています。だだちゃ豆は、庄内平野の肥沃な土壌と、夏の暑さと冷涼な夜の寒暖差に恵まれた気候風土で育てられた枝豆の銘柄品種です。庄内地方では古くから、この上品な甘みと香りの良さが親しまれてきました。
この記事では、そんなだだちゃ豆と同じく、東北地方を中心に親しまれている「ずんだ」の違いについて紹介します。また、家庭で作れるずんだ餅のレシピや、だだちゃ豆を使ったおすすめレシピも紹介するので、ぜひ最後までチェックしてくださいね◎
だだちゃ豆とずんだの違い
まずは、だだちゃ豆とずんだの違いについて見ていきましょう!
だだちゃ豆とは
だだちゃ豆は、山形県を代表する枝豆の一種で、鶴岡で江戸時代から栽培されている門外不出の枝豆です。名前の由来は、この地区を中心に使われていた方言で、「お父さん」という意味があります。
収穫は7月下旬からはじまり、9月頃にかけて市場に出回ります。だだちゃ豆は収穫時期ごとに「極早生」、「早生」、「中生」、「晩生」の品種があり、味わいや風味も異なります。夏になると極早生から晩生まで順に出荷されていくので、時期による味の違いを楽しめるのも魅力です。
ずんだとは
ずんだは、仙台を代表する郷土料理です。 主な材料は枝豆で、これを石臼ですりおろして作ります。すりおろした枝豆の実に砂糖を加えて風味をつけ、そのペースト状の食材がずんだとなります。
仙台では古くから、枝豆の加工品としてずんだが親しまれてきました。ずんだの起源については諸説ありますが、江戸時代には既に存在していたと言われています。代表的な料理には、ずんだ餅があります。 ずんだを白餡に混ぜ込んで、それを小麦粉の生地で包んだ菓子です。ゆでた枝豆を石臼で丁寧にすりおろすことで作られる、伝統の味わいが特徴です。
だだちゃ豆の特徴
だだちゃ豆の特徴は、甘みと香りの強さにあります。噛めば噛むほど口いっぱいに広がる豆の豊かな風味と濃厚な甘みは、一度食べたらやみつきになりますよ。
また、だだちゃ豆は栄養価も高く、以下の栄養素を豊富に含んでいます。
- たんぱく質
- 食物繊維
- カリウム
- ビタミンB群
- ビタミンE
さらに、抗酸化作用のあるイソフラボンやサポニンなどの機能性成分も含まれており、健康維持や美肌作りにも効果的な食材といえるでしょう。
だだちゃ豆はシンプルな塩ゆでで味わうのが最もおすすめですが、仙台の郷土料理であるずんだに加工しても美味しく食べられます。味わい深く、栄養価の高いだだちゃ豆で作ったずんだは、心も体も満たされる美味しさです。
家庭で作るずんだ餅のレシピ
ここからは、家庭で作るずんだ餅のレシピを紹介します。
材料 2人前の分量
- 枝豆(さやなし) 100g
- 砂糖 大さじ1
- 塩 小さじ1
- 切り餅 2枚
- 成分調整豆乳 10cc
作り方
- 茹でた枝豆、砂糖、塩、豆乳をフードプロセッサーにかける。
- 切り餅をごはん茶碗に入れ、しっかり浸かるくらい水を入れる (1枚ずつ)。
- 電子レンジで1〜2分、やわらかくなるまでチンする。
- ボウルにずんだあん、やわらかくなった餅を入れ、和えたら、出来上がり!
甘さ控えめなので、お砂糖の量はお好みで調節してください。枝豆は新鮮なものを選び、香りや甘みが強いものを選ぶとより美味しく仕上がりますよ◎
だだちゃ豆を使ったおすすめレシピ
ここからは、だだちゃ豆を使ったおすすめレシピを紹介します。
だだちゃ豆ご飯
- 調理時間: 約35分
- 費用目安: 約400円
材料 2人前の分量
- 米 2合
- だだちゃ豆(さや付き) 150g
- 塩 小さじ1
作り方
- 米は研いで水気を切り、2合の目盛りまで水を入れて30分浸水させます。
- だだちゃ豆は耐熱容器に入れ、600Wの電子レンジで1分半加熱し、さやから実を取り出します。
- 米が浸水できたら、塩小さじ1を加えて混ぜ溶かします。
- 最後にだだちゃ豆を上に広げて炊飯器で炊きます。
- 炊き上がったら、全体を底からさっくりと混ぜ合わせて完成です。
塩は、米が水を吸って真っ白になればOKです。炊き上がりに酒大さじ1/2を全体に振りかけて少し蒸らすと、酒のコクと風味がプラスされます。
だだちゃ豆の天ぷら
- 調理時間: 約15分
- 費用目安: 約200円
材料 2人前の分量
- だだちゃ豆 160g
- 小麦粉 大さじ3
- 水 大さじ4
- 塩 少々
- 揚げ油 適量
作り方
- だだちゃ豆は電子レンジで軽く加熱し、鞘から出します。
- 小麦粉と水を混ぜ合わせ、だだちゃ豆をキッチンペーパーで水気を拭き取ってから入れ、混ぜます。
- 揚げ油を熱し、2のだだちゃ豆をスプーンで一口サイズに落として揚げます。
- 揚がったら取り出して油を切り、熱いうちに塩をふり、お皿に盛り付けます。
揚げ油は170℃が適温です。天ぷらは揚げたてが一番美味しいので、食べる直前に揚げるのがおすすめです。
だだちゃ豆のツナサラダ
- 調理時間: 約10分
- 費用目安: 約300円
材料 2人前の分量
- だだちゃ豆(ゆでてさやから出したもの) 80g
- タマネギ(薄切り) 1/4個
- ツナ缶詰(オイル漬け) 1缶(80g)
- オリーブオイル 大さじ3
- 塩 小さじ1/4
- コショウ 少々
作り方
- タマネギは薄くスライスし、水にさらして辛味を取ります。
- タマネギの水気をよく切り、ボウルに入れます。
- ツナ缶の油を軽く切り、タマネギと一緒にボウルに入れます。
- オリーブオイル、塩、コショウを加えて味を調えます。
- ゆでただだちゃ豆を加えて和え、器に盛り付けます。
タマネギは水にさらすことで辛味が和らぎますが、さらしすぎると風味が薄れるので注意してください。ツナ缶の油を少し残すことで、サラダにコクを出すことができますよ。
まとめ
山形県庄内地方の名産品であるだだちゃ豆は、甘みと香りが強く、豆の風味を存分に楽しめる枝豆の一種です。一方、ずんだとは仙台を中心に親しまれている郷土料理で、枝豆をすり潰したものを指します。
だだちゃ豆は枝豆の一種なので、もちろんずんだにも活用できます。ずんだを使った代表的な郷土料理「ずんだ餅」は、家庭でも簡単に作ることができるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
また、だだちゃ豆はずんだ餅の他にも、ご飯や天ぷら、サラダなど、様々な料理にアレンジして美味しく食べることができます。今年の夏は、山形県産だだちゃ豆を使った旬の料理を食卓に並べてみてはいかがでしょうか◎